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2020.03.30

社長さんにリスケを決意していただくには

会計事務所にとって、社長さんにリスケを決意していただくのは、
なかなか難しい問題かと思います。

業績の悪化した決算書なんて見たくないと思っている社長でも、
頭の中では「どこか一行くらいは貸してくれるだろう」
と楽観視しているものです。

そのような社長さんに対して、当社では下記のようなステップを踏みながら
説得を試みています。

ポイントはいかに早く、全ての銀行から借りられないことを
はっきりさせるかです。

経営者の方は、どこか一行くらいは貸してくれるだろう、
と思っているがために、リスケの決断が遅れがちです。

借りられるかどうかを確認するときも、一行に申し込み、
断られたら次の銀行へ、断られたら次の銀行へ、という
交渉の仕方をするので、全ての銀行から借りられないことが分かるまでに
2~3ヵ月かかってしまいます。

全ての銀行から借りられないことが分かった場合には、
リスケをするしかなくなりますが、
この2~3ヵ月の元金返済が無駄になってしまうのです。

そこで、一度に全ての取引銀行に融資を申し込むことをアドバイスします。

もちろん信用保証協会付きの場合は、銀行・信金のどこか一つしか依頼できませんが、
保証協会の保証のないプロパー融資と、日本政策金融公庫さんへの申し込みは
同時に申し込みが可能です。

その際に、銀行担当者に必ず「何日までに回答をお願い致します」と
回答期日を設けてもらいます。
2週間後くらいであれば銀行員に嫌われることもありません。

銀行員もサラリーマンですので、仕事に優先順位をつけています。
業績の良い会社にはお金を貸しやすく、業績の悪い会社にはお金を貸しにくいことから、
業績の悪い会社の融資案件は後回しにされることがよくあります。

会計事務所が「もう借りられませんよ」といくら言っても、
銀行員から「社長、いつでもご相談ください」なんて言われているうちは、
経営者も「まだ借りられそうだな」と思って決断ができません。

銀行員の口からはっきりと「もう貸せません」と言われたら、
社長もリスケを決意せざるを得ません。

嫌なことはできるだけ後回しにしたがるのは当り前ですが、
社長さんの背中を押して差し上げられるのは、
会計事務所しかないと思います。

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